女。
それは地球上に存在する人間という生き物の約半分を占める生き物だ。
私はその女という種類に属する。
ここでは女として生まれた私が、生まれたときから背負っているハンデについて話していきたいと思う。
私は生まれたときから体毛が濃かった
「女はつるつるモチモチしている」
男は女に対してこのようなイメージを持っている人が多いのではないだろうか。
これらを分解して話をしていきたいと思う。
「つるつる」
透き通った肌にすべすべな肌を連想させる。
つるつるすべすべな女の肌を触るのが好きな男もいるのではないだろうか。
女はホルモンの関係上、男より体毛が薄い場合が多い。
しかし、私は男並みに体毛が濃い状態で生まれた。
髪の毛はふさふさ、産毛も波打つほどに濃かったのだ。
それは成長とともに増え続ける。
幼稚園児ほどの年齢になると、眉毛はマスキングテープのように太く濃くなっていった。
ほっとけば繋がってしまうほどに。
幼少の頃からの床屋による顔そりのお陰で成熟しきった大人になった今も産毛は濃く、顔そりをすると顔色が良くなるという現象が起きるのだ。
(それほど産毛が濃く、顔そりすると毛がなくなった分肌が明るくなる)
アラサーによるおっさん化も進み、顎には立派な極太の髭が1~2本生えてくる始末。
もちろん足の毛は剛毛が故、処理をしても次の日には剣山が頭を出し猛威を振るう。
この時点で私には、「つるつる」が存在しない。
私は女として男に求められることがほぼない、全身剛毛の毛だらけ女なのだ。
「モチモチ」
女特有のふくよかな体型故に生まれる感触である。
これは女が成熟していくにつれてさらに増していく。
特に胸だ。
プルンとしたすべてを包み込んでくれるかのようなマシュマロのような柔らかさ。
男という生き物はこれに憧れを持つ。
そう、顔面を押し付けたいと。
しかしどうだ。
私にそんなものはない。
部活動で忙しいときは、前かがみになったら突起物が見えてしまうほどにブラは隙間だらけでペタンこだった。
しかし、今は人生最大級に肥満であることから、部活動で忙しいときのあのペタンこ状態から3サイズほどUPした。
しかしどうだろう。
長年、ほったらかしにされた胸は垂れ下がりだらしなくぶら下がているではないか。
まるで、すでに成人した子供を持つおばさんのように。
何でこんなことを描こうと思ったのか
「あぁ、なんて私はガタイがいいんだ。」
今日久しぶりに全身鏡を見て思ったからである。
そう。私はガタイがいいのである。
肩幅は男の人より広い。
歴代(と言ってもそんなにいないが)お付き合いしてきた男の人と良くて肩幅が同じくらい。
中には私の方が広いなんてこともあった。
そう、この時点で私はもう男扱いだ。
小学生の頃のあだ名は「男女」。
女子トイレに入れば、おばさんから必ずと言っていいほどクレームが来る。
「ここ、女子トイレだよ!」
そんなのわかっている。
わかっていて入っているし、そもそも私は女だ。
こんなこと小さい頃は当たり前。
最初言われたときは「私女なんです。髪短いのでよく間違えられるんですけど」なんて言ってたけど後半は面倒になって「女です」とだけ言っていた。
ここまで読んでいただいたが、わかっていただけただろうか
そう、私は生まれたときから他の女よりもかなりのハンデを背負って生きているのだ。
いや、背負いまくりだ。
だからそれの背負っているものをおろそうとすると人一倍金がかかる。
剣山(毛)を排除したいと思えば「全身脱毛」というものに行かねばならないし、それには膨大な金と時間が必要だ。
だから私は諦めた。
いや、寧ろ立ち向かうといった方が正しいかもしれない。
もう春だ。
気温も高くなり足を出す機会も増えてくる。
普通であれば長いズボンを履いて隠すところだが、そこで隠すことはせず、逆にこの剣山を振りかざしていきたいと思う。
今日は伸び切った剣山を見せびらかすかのように短パンを履き、我が相棒であるまろ吉と散歩に出かけた。
やってやったぞ。
参ったか。
女は華を持つことでより一層輝く生き物だ。
私は他人に見せられるような華はないが、自分がイキイキすることのできる華は持っていると思っている。
だから他人より強固な剣山を持っていても私はへこたれない。
男女と言われようと、眉毛が繋がろうと、私は私。
他人の目を気にせず、流されない自分でありたい。
今の気持ち:女として終わってるな。(いや、終わらせたのだ。←強がり)